知っていますか?遺言書の付言事項

自分の死後、残された家族が遺産相続で揉めたり争ったりすることは誰も望みません。
遺言は本人の死後、生前の意思を実現するだけでなく、そういった相続争いを未然に防ぐためのものでもあります。

つまり、遺言書を残すということは、本人である遺言者にも残された家族にとっても有益な行為となります。

この遺言書には、大きく分けて自筆証書遺言と公正証書遺言という2種類の方法があり、それぞれ必ず書かなければならないことや、様々な形式的なことが法律で決められています。

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そんな最低限の形式や必須事項をそろえていれば、遺言書として成立します。
そういった形式的なこと、法律的なことは専門家に任せましょう。相続に関する遺産である財産目録についても我々のような専門家に相談してください。 

しかし、そういった事務的で形式的なこと以外にも、最後に伝えておきたい自分の思いをたくさん書いてもいいと知っていますか?
遺産分割の詳細などについての理由や思いなどを書くことは、付言事項として認められています。 

「付言(ふげん)事項」とは、言葉を付け加えること。付け足し。といった意味ですが、要はメッセージです。 

付言事項には、自分の気持ちを素直に

生前には、面と向かって言えなかった奥様や子供である家族に向かって、感謝の気持ちだったり、謝りたいことがあれば謝罪の気持ちだったり、心にある残して伝えておきたい気持ちをメッセージとして何でも書いていいのです。

ただの手紙になってしまうと心配する方もいますが、手紙を残すよりも遺言書で残した方が最後の手紙として、家族の心にあなたの思いがより丁寧に届くことがあります。 

相続や遺言の内容を記した後に、なぜこういう遺言書を書いたのか、どうしてこのように相続して欲しいのかを丁寧にご自分の意見で書いてみてください。 

付言事項で争いがなくなることも

ある方が遺言書で相続の詳細について書いた後に、長年連れ添った妻に対して、次のような内容の付言事項が書かれていました。

「今までありがとう。君のおかげで幸せな人生だった。
そして、いろいろ迷惑もかけた。ごめんなさい。少ない遺産で申し訳ないけど、これから生きていく足しにして欲しい。幸せにね」
 そして、その後続けて今度は子供達に対して、
「そういうわけだから、申し訳ないけど遺産のほとんど全てはお母さんにあげてください。これからもお母さんを助けて上げてください」

といった内容でした。実際にはもっと詳細な内容で、きっちりと自分の言葉で書かれていました。
しかも、決して少ない遺産ではなかったそうです。 

これを読んだ子供達にも家族がいましたが、ご遺族の方達はいろいろな思いがありながらも、争うことなく故人の意志を尊重しました。

 

 

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About the author

伊藤真吾
伊藤真吾
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Immigration lawyer(入国管理局申請取次届出)
・Certified Skilled Worker of Financial Planning(2級FP技能士)
・Personal Information Protection Professional(個人情報保護士)
IT業界で10年間コーディネーターとして幅広く業務を担当。
2016年これまでに得た経験を活かすため行政書士に転身。
その後1年間の下積みを経て行政書士伊藤真吾事務所を開設。
趣味は、深夜の一人映画館と断捨離とバイク。家は小遣い制。
【Affiliation】
日本行政書士会連合会 登録番号 第16081519号
東京都行政書士会   会員番号 第11086号
【Other qualifications】
調理師免許
大型自動車免許
中型自動二輪免許

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