行政書士として開業にかかった費用と資金(part.4)
行政書士として開業に要したお金は、開業前から貯めてた約100万+自分の貯金から別途100万円を持ち出して合計約200万円ぐらい。平均がよく分かりませんが、多くも少なくもないのではないでしょうか。個人でする行政書士業は、もっと少ない資金から開始できるとも思います。
開業準備として、まず行政書士会に献上する行政書士登録費用に約23万円、PC・プリンター・印鑑・スーツ類・デスク周り・書籍等々に30万円、それ以外にセミナーや研修会の受講料やそれに伴う交流会、親睦会の参加費用、食事会、呑み代etc・・・。合計約70万円。(だったはず)
この辺を抑えることでより低予算でいくことも充分可能です。問題はその後です。約束された仕事がある場合は別として、開業からしばらくは用意した資金がドンドン減っていきます。お金が減る一方で仕事がある訳でもなく、確固たる収入の目途も立っていないので、最初はそんなもんだと想定していても手持ちのキャッシュが減っていくのは正直焦ります。
その一方で、時間には余裕があるのでビジネスモデルとしてあれもしたいこれもしたい思いが色々出てきました。お金は上手く使えば使う程、軌道に乗るのも早いという感覚はあっても、経営の素人としてはなかなか思い切った勇気ある行動(支出)ができません。
しかし、残った資金を虎の子のごとく、食えるようになるまで節約して事あるごと出費の対象を深く検討して数カ月経った今、このままじゃ軌道に乗るまでの時間が勿体ないとの結論に至り、融資という借金を受けることにしました。
「借金」の必要性
無借金経営が健全な経営であるかどうかは意見が分かれるとこですが、自分の場合は、試してみたいことが幾つかあり、それをある程度精査した上でそれらが資金の面から二の足を踏む状況にあるぐらいなら融資でも借金でも何でも良いからお金を借りて実行する価値は十分あると判断しました。
僅かながらの経験ですが、資金が不足しているということは速やかに効率よく動くことができず、関係ないところでストレスにも繋がります。。
また正直なところ、個人で行政書士業を行っていくためには、物品の仕入も必要なければその他のランニングコストもせいぜい知れてると思うので、万が一のことがあっても創業融資で借りた額ぐらいどうとでもしてやると。
勢いは大事だと思います。
「借金」の使い道
では、実際に金を借りてまで必要な事とは一体何か?
当たり前ですが稼ぐことです。
稼ぐためには顧客からの依頼が必要であり、依頼を獲得するためには、ハード面からは優良なHPやSEO対策、素晴らしい名刺、目を引くチラシ、優良な書籍、その他業務上利用するツールの購入などが挙げられます。
ソフト面では様々な異業種交流会への参加をはじめ、有料セミナーへの参加、各方面の勉強会への参加、そしてそれらに伴う懇親会や交流会などへの参加。
上記以外にも、稼ぐために行うべきことは他にも多々あるかと思いますが、これら共通していえることは、全てにお金がかかるということ。自宅で勉強していたって生活費があるし、交通費も馬鹿にできません。
ということは、依頼を定期的に獲得することができるようになるまでには、それなりの軍資金が必要となると思うのです。事業というのはお金をいかに使っていくか?とも言えると思います。
ただ、事業を行っていると、選択と判断の繰り返しで次から次へとその判断が迫られます。その度に手元のキャッシュが気になり迅速な行動を阻害している状況は、機会損失以外の何ものでもないでしょう。
もちろん、検討して精査することは必要ですが、その検討する中の過程に「手元のキャッシュが心もとない」という理由があるとすれば、それは対象の検討材料には直接関係ありません。
そうはいっても日々判断が迫られ、自分一人で検討し判断しているとどうしてもお金が気になり客観的な判断が狂う要因の一つになります。
そうであれば最初から手持ちの資金のせいにせず、ここぞと思ったら出費を惜しまずにドンドン実行して試して、失敗したら失敗したで試行錯誤を重ねていく精神が開業したての自分には必要であるとも考えています。
創業融資を受けるには2つの制度。どちらがいいのか。
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」と各自治体が行う「中小企業融資あっせん制度」。
両者それぞれメリットとデメリットがあるため、どちらの方が良いとは一概には言えませんが、融資が実行されるまでの時間、つまり早くお金を貸してくれるのはどちらかといったら、それは日本政策金融公庫の「新創業融資制度」でしょう。
日本政策金融公庫の「新創業融資制度」が早いわけ
日本政策金融公庫からの融資は早いもので1カ月で受けられるそうなので、一刻も早くまとまった資金が必要な場合にはこちらの制度を利用した方がいいかもしれません。
一方、港区の中小企業融資あっせん制度を利用する場合は対象の事業計画書など必要書類の完成度にもよりますが、最低でも2カ月は要するものと考えた方が良いでしょう。
なぜなら、繰り返しですが、実際の貸付は信用保証協会から得るものでなく、実際には区が指定する金融機関の中から自分で選択した行からお金を借りることとなるため、「自分 対 日本政策金融公庫」というシンプルな構図ではなく、「自分 対 区&金融機関&信用保証協会」という関係機関が多くそれに伴う踏むステップも多いため、どうしても時間がかかるというわけです。
日本公庫という略称でも知られる当組織ですが、この制度を利用する人は多いです。調べたところ、直近3年間での創業融資実績は前年度比で毎年100%以上の増加率となっています。
なぜ港区の中小企業融資あっせん制度を選択したか
両者比較すると、スピーディに事が運ぶ日本政策金融公庫からの融資を利用した方が良いように見えますが、私が港区の中小企業融資あっせん制度を選択した主な理由は以下。
1.すぐに融資が必要な訳ではなかった
2.区役所が窓口ということもあり身近だった
3.利子の半額について都の補助を受けることができるから
4.港区の新規開業賃料補助金を受けるために必須だったから
5.対象となる金融機関に知り合いがいた
6.金融機関と身近になっておきたかった
ネックとなるのは、やはり融資実行まで申し込みから2カ月半~3カ月程度を要したことです。日本公庫の場合だと早ければ1カ月半程度で実行されるので、迅速な資金調達も可能です。
About the author
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・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Immigration lawyer(入国管理局申請取次届出)
・Certified Skilled Worker of Financial Planning(2級FP技能士)
・Personal Information Protection Professional(個人情報保護士)
IT業界で10年間コーディネーターとして幅広く業務を担当。
2016年これまでに得た経験を活かすため行政書士に転身。
その後1年間の下積みを経て行政書士伊藤真吾事務所を開設。
趣味は、深夜の一人映画館と断捨離とバイク。家は小遣い制。
【Affiliation】
日本行政書士会連合会 登録番号 第16081519号
東京都行政書士会 会員番号 第11086号
【Other qualifications】
調理師免許
大型自動車免許
中型自動二輪免許
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