不許可の理由を聞いてきました

こんにちは。10連休の過ごし方について家族と中々意見が合わない伊藤です。

今日はタイトル通り、品川の入管に不許可となった案件について理由を聞いてきました。
不許可案件というのは、事務所的にはあまりオープンにすべきじゃないかとも思いますが、一口に不許可といってもその内容には色々ありまして、理由が深刻なものから比較的ライトなものまであります。
また、申請した在留資格の種類が就労系か身分系であるかによってもリカバリへの対応が変わってくるかと思います。

今回は、そんな不許可となった場合にまず行うべき対応となる入管への不許可理由のヒアリング方法について詳しくご案内します。

※就労系の在留資格で品川の東京入管でのケースを想定しています。

申請の不許可理由のヒアリング

入管へ不許可理由を聞き取りに行くといっても、不許可となった結果に焦り、感情的な気持ちのままいきなり入管へ行くのはベストではありません。

以下のポイントに留意して進めるようにします。

  1. 申請番号をもう一度確かめる。
  2. 「不交付通知書」をよく読む。
  3. 申請書類の控え・写しがないか確かめる。
  4. ヒアリングには誰が行けるのか。
  5. 可能な限り基準や要件を理解して知識を補充しておく。
  6. 持参するものを揃える。
  7. なるべく朝一で入管に行く。半日以上は潰れる覚悟で。
  8. 当日の主な流れ。
  9. 理由を教えてくれる職員の方に徹底的に聞く。

以下、1からみていきます。

1.申請番号をもう一度確かめる。

不許可になると、その通知は「○○不交付通知書」というA4の紙で申請者の所在地に郵送されてきます。
その通知書には作成日や宛名、申請者の国や氏名、申請番号等が記載されていて、不許可理由も超シンプルに記載されています。
その中で、まずは申請番号や申請者の氏名をもう一度よく見て、本当に自分の申請であるかどうかを確認します。
入管も手作業なので万が一、取り違えている可能性があります。
(これまで、申請書類の一部紛失、交付された許可証の記載ミス等が数回あります。)

2.「不交付通知書」をよく読む。

「不交付通知書」には、不許可となった理由について簡単な内容でしか記載されていませんが、重要な内容が記載されています。(一例)

○○年○○月○○日

在留資格認定証明書不交付通知書

国籍 ○○ 氏名 ○○
○○年○○月○○日付け、申請番号○○○○

あなたの在留資格認定証明書交付申請については、下記の理由により、下記の要件に適合しないことから不交付と決定したので、通知します。

(適合しない要件)
申請に係る活動が「○○」の在留資格に係る・・・(略)・・・に定められている活動に該当するとは認められません。

(根拠となる事実)
従事しようとする業務は、・・・略・・・を必要とする業務のいずれにも該当するとは認められません。
経歴に疑義が認められ、申請内容に信ぴょう性があるとは認められません。

東京入国管理局長

連絡先  ○○○
電話番号 ○○○

赤字にした箇所が重要な内容ですが、このようにさらっとシンプルに書かれているだけで、具体的な理由は分かりません。
具体的な不許可理由が分からない以上、あれやこれやと自分で原因を考えて再申請してもリカバリできる可能性は低く、再度不許可となってしまう恐れがあり、多大な時間を無駄にしてしまいます。

3.申請書類の控え・写しがないか確かめる。

申請してから何十日、何ヵ月も経っていることがほとんどなので、自分で行った申請であっても全ての内容を把握していることは無いと思います。
申請書類一式の控えや写しがある場合は、内容をあらためて確認しておきましょう。そして入管へヒアリングに行く際には必ず持参するようにします。

とはいっても、控えや写しなんか取ってない。ということも多々あると思います。

そんなときは事前に入管に対して申請書類一式の請求を行います。

 申請書類一式を入管へ請求する方法についてはコチラ

ただし、この請求は時間がかかのがネックです。(約2〜4週間)
よって待ちきれない場合は、申請書の控えがないまま聞き取りに行ってください。

4.ヒアリングには誰が行けるのか。

入管に不許可の理由を対面でヒアリングすることが出来るのは、比較的広い範囲で認められているようです。
東京以外の入管については、把握していませんが、少なくとも品川入管の場合は、「不交付通知書」の原本と身分証を持参していれば、大抵の人はヒアリングすることができます。
つまり、申請人本人・法定代理人・取次者でない他の第三者でもOKということです。
無論、第三者の場合は、本人と何らかの利害関係がある場合に限りますが、それでもその利害関係について聞かれたり、それを示す何らかの証拠を求められることもないので、やはり不許可理由のヒアリング自体はかなり融通の利いた対応をしてくれます。
もちろん、自分一人では不安でちゃんとヒアリングする自信がない場合には、我々のような行政書士に同行を依頼するのもOKです。

5.可能な限り基準や要件を理解して知識を補充しておく。

入管法について知識のある人に同行してもらう場合は別として、本人が自分でヒアリングに行く場合の理想は、法令の基準や要件をある程度理解して知識を補充しておくことです。

とは言え、それも普段見慣れない法令を読んで理解するのはハードルが高いでしょう。

なので、多くの就労系ビザの要件に該当する以下の点だけでも頭に入れておきます。

  • 自分の履歴書や経歴に食い違いがなかったか
  • 行っている仕事の状況が適正かどうか、
  • 申請時の提出書類に欠けているものはなかったか
  • しなければいけない届出を怠っていないか etc・・・

在留資格の特徴や要件については、当サイトでも分かりやすく案内しています。

6.持参するものを揃える。

ヒアリングに必要な持参するものを揃えます。

  • 不交付通知書(原本)
  • 申請書類一式
  • パスポート
  • 在留カード or 身分証明書
  • 暇つぶし用のなにか
  • 飲み物と糖分

誰が行くかによって違いますが、概ね↑のとおりです。
長時間待たされる可能性大なので、最後の2点は結構重要です。

7.なるべく朝一で入管に行く。半日以上は潰れる覚悟で。

シーズンや当日の混雑状況によって違うので、待たされる時間はマチマチですが、担当の職員の方と対面できるまでには長時間を覚悟しておいた方が良いです。
当日は朝一で行っても4、5時間は待たされることを想定してスケジュール調整することをおすすめします。

8.当日の主な流れ。

実際に不許可理由をヒアリングする当日の主な流れです。

  1. 2FのC5カウンターにある発券機から番号札をとる。
  2. 呼ばれるまでひたすら待つ。
    (音声アナウンスでの呼び出しなので多少離れていてもOK)
  3. 番号が呼ばれたらカウンターで「不交付通知書」を出して、不許可の理由を聞き取りに来た旨を告げます。
    小さな番号札が渡され、再度待つように指示されます。
  4. 呼ばれるまでひたすら待ちます。なるべくカウンター近くで。
    (担当の方による肉声呼び出しで聞き取りにくいため。)
  5. ブース状の小部屋に誘導されたら、簡単に自己紹介と身分証を提示する。
  6. 9へ

9.理由を教えてくれる職員の方に徹底的に聞く。

東京入管の場合、これまでの経験上かなり丁寧に教えてくれます。
当然、担当官によって接し方の誤差はありますが、少なくとも不許可となった具体的なポイントはしっかり教えてくれます。
他にも、こちらの質問に対しては結構ズバリと教えてくれますし、リカバリする際のポイントなんかも丁寧に教えてくれます。

聞いたところによると、数年前まではかなり高圧的で不愛想、そしてピンポイントに理由も教えてくれない対応が普通だったそうですが、今はそんなことありません。
もっとも、大阪や名古屋の入管は現在でもそういった不親切な対応が常態化しているそうです。

いずれにしても、東京入管の場合は、こちらが一般社会人として常識的な対応で質疑応答を丁寧に心掛けていれば、相手の職員の方もそれに応じた対応をしてくれるはずです。

重要なヒアリングすべき点は案外シンプルだと思います。

  • 不許可となった原因は何か?
  • 申請書類でいうとどこのどういった部分か?
  • 原因となった部分をどのようにすれば良いか?
  • 再申請して許可となるためのアドバイスは何かないか?
  • 他に補強、修正、訂正、した方が良い部分はあるか?

案件によってヒアリングすべき点は違いますが、概ねこれらの内容はマストで聞くべき点だと思います。
大事なのはこの場で感情的にならないことです。
終始穏やかに冷静にヒアリングしてください。
たとえ専門家だったとしても、ここで申請内容について基準省令や審査要領をもち出していくら疎明・弁明・弁解をしても不許可の結論は決して覆りません。

そして、もっと大事なのは、ここで得た不許可となった具体的な理由を再申請を行う際にしっかりとカバーすることです。

 

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About the author

SHINGO ITO
SHINGO ITO
・Certified Administrative Procedures Specialist(行政書士)
・Immigration lawyer(入国管理局申請取次届出)
・Certified Skilled Worker of Financial Planning(2級FP技能士)
・Personal Information Protection Professional(個人情報保護士)
IT業界で10年間コーディネーターとして幅広く業務を担当。
2016年これまでに得た経験を活かすため行政書士に転身。
その後1年間の下積みを経て行政書士伊藤真吾事務所を開設。
趣味は、深夜の一人映画館と断捨離とバイク。家は小遣い制。
【Affiliation】
日本行政書士会連合会 登録番号 第16081519号
東京都行政書士会   会員番号 第11086号
【Other qualifications】
調理師免許
大型自動車免許
中型自動二輪免許